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フローマインド18  リスペクトする生き方

2022.04.28

リスペクトする生き方  (辻秀一メソッドより)


■             新年になると、気分が変わる?         

ライフスキルを磨くというのは、いったいどういうことでしょうか。
ライフスキルというのは、人間の脳の機能で、心の状態をフローな方向に傾ける機能。


通常、我々は認知の脳の世界で生きているので、外側の出来事に支配されながら心の状態が決まってしまいます。

どうやって心を切り替えていきますか?

外側の出来事が変わって切り替わる。
つまり、雨が続いたけど晴れて気分がよくなった。
新年を迎えて、気分を変える。


しかし、毎年毎年、年末にならないと気分を変えられないようだと、相当大変になります。
天気が晴れないと気分が変わらないと大変ですよね。


 

こうやって気分を変えていくために、我々は外側の出来事に、基本、依存しています。
もしくは、モノに依存する。タバコとかお酒とか音楽とか。


僕はスポーツが好きなので、スポーツというモノがあると、気分はよくなります。
もしくは、僕はモノで言うと、お気に入りのDVDがあれば、気分を変えられます。仮に見なくても、それを持っているだけで変えられるかもしれません。僕らは「モノで気分を変える」ということを、しばしばやります。しかし、いつでもそのモノは持ち歩けるとは限りません。


 

■             外側の現象では気分は変わらない   

あとは、行動で気分を変えるということもよくやります。風呂に入る。気分が変わりますね。
飯を食う。気分が変わりますね。寝る。切り替えますね。


だから、何か嫌なことがあると、気分を変えるために「酒でも飲んで寝ちゃえ!」ってよく言います。モノに依存して、行動で気分を変える。

これは、我々が一般的にどの人もやっている方法で、悪いわけではありません。

たくさんそういう方法で気分を変えているというのは事実だと思います。

 

一方で、このフローマインドで身につけたいことは、そういう行動やモノや外側の現象に頼ることなく、自分の気分が変わるという脳の使い方です。

思考するだけで気分が変わるという、このとてつもない現象を大事にしていきましょうと言っています。

 

残念ながら、練習して磨いていないと、人間はこの脳の使い方はできなくなります。
使わないとか磨かないと劣化すると考えてください。


 

では、ライフスキルをどうやって磨いていけばいいのかというと、こういうふうに考えていると脳が働いて脳の中に磁場が生じて、心の感じ方が変わる思考があるのだということを、まず知識として知ることです。

皆さんはどんなライフスキルがあるのか覚えていますか。

すぐ忘れますよね。

忘れるとまず働かなくなるので知る。覚える。さらに理解して自分のものにしている。
そんな感じが「磨く」の第一段階ですね。


さらに、その知っていることを意識して考える。
私たちはこの目的のない外側の出来事に付随しない思考にまだ慣れてはないので、「なんでこう考えなきゃいけないんだ」となりがちなんですけど、「そう考えると気分が変わるからいいじゃないの」と考えるというのを繰り返すことです。


 

■             使わないと感覚は磨かれない            

そうすると、気分が何かしら変わります。体感が起こるということです。
そしてその体感を大事にするのです。


感情に気づく。こういうライフスキルがしっかりと意識されていないと、
この体感というのも起こりにくいわけです。


例えば、「好きなことを考えて何になるわけ?」とか、
「今に生きると考えるってどういうこと?」とか、
「ありがたいと考えたけど、別に天気は晴れなかった」というふうになってしまうのです。



その中で、感情に気づくライフスキルを磨いていると、ライフスキルによって得られる体感を、よりよく享受できるようになるという構図です。


 

この忘れずによく覚えていること、理解していくこと、そして、知識をしっかりと意識して考えること。そして、それで得た体感をしっかりと見つめ、誰かと話し合うシェアする。分かちあっていくこと。

これが人間の基本的なライフスキルを磨いている原則です。
これがとても大事なんですけれども、ついつい私たちはこれをしなくなります。


 

まあ、忘れるという話はしましたが、
意識しなくなりますし、
体感を感じるのを軽視してしまいますし、
人とそれをシェア分かち合うなんていうことを面倒くさくてしなくなります。



なので、ライフスキルはどんな人でもつけられるんだけど、なかなかつかないという構造です。


語学と一緒ですね。アメリカにいて英語がしゃべれないやつはいないし、イタリアにいてイタリア語ができないやつはいない。日本語って世界で一番難しい語学だと言われていますが、日本人が皆しゃべれるのは、日本にいてそれを覚えて実践して、それで通じる体感を得て、そしてまたそれをシェアしていくということを繰り返しているから、脳の中に刷り込まれていくのです。

 

 

■「リスペクト」と「尊敬」は違う                

今回のテーマは「リスペクト」。与えるというライフスキルの中の一つですね。

与えると考えるだけで、人間は気分がいい方向にいくという「フォワードの法則」があります。
えるというのはモノやお金を与えるわけではありません。

「人にエネルギーを与えるような思考って何なんだろう」と考えたら、
そのうちの一つがリスペクト。

 

リスペクトは直訳してしまうと「尊敬する」という訳になりますが、私が言いたいリスペクトは、どちらかというと尊敬ではないです。

尊敬という感覚は、「目上の人を尊敬する」とか、「あの人のこういうところを尊敬する」とか、「こういうところが優れているので尊敬に値する」という言葉の使い方があるので、私からすると、そこに評価があって優劣があって上下関係があって、みたいな感じがどうしても想起されてしまいます。しかし、これはとても大切なことで「目上の方を尊敬しましょう」とか、「あの人のこういう部分を尊敬しましょう」というのは認知の脳の使い方としては極めて重要です。

みんな尊敬したほうがいいに決まっているし、尊敬する部分を見つけて尊敬するということは重要だと思いますが、このライフスキルとしてのリスペクトはそうではなくて

どちらかというと「思いやりを持つ」みたいな感じですかね。

 

リスペクトすると考える。思いやりを持つと考える。

「思いやり」って、人にエネルギーを与える感覚の言葉だし思考です。
なので、このフォワードの法則に則っている思考ですし、思いやりを持たないよりも持っているほうが、我々はどんな行動をしようがしまいが気分がよくなるという現象が皆さん起こりませんか。


そうすると、思いやりでもいいし、尊重するというのでもいいかもしれないですね。
いろいろな人を尊重しようって考えてみませんか。何をどのように、誰をなんでとかいうのは考えず、リスペクトすると考えたら、人間は気分がいい方向にいくような仕組みがありますそれは人間としての遺伝子の中に組み込まれていると思ってください。


 

思いやりを持つと考えると、気分が悪いよりいい方向にいくんです。「どうやって、どんなふうに、誰の何をなぜ思いやりを持たなきゃいけないか」というようなことを考えるのではない。

気分が悪い時に、とにかく思いやりを持つと考えてみませんか。もしくは、いつもリスペクトすると考えてみてもらえませんか。絶対にそうしていないあなたより、そうしているあなたのほうが気分がいい方向にいくはずです。

 

■             リスペクトに理由はいらない            

ただ、認知の脳が働いて、「なんで?」とか、「どうしてあいつに?」とかなりがちなのですが、ライフスキルはそこから離れて、ただ思考するということの価値を強調しています。
それによって起こる心の変化を感じ取るということを、改めて大事にしてもらえばありがたいと思います。


 

「リスペクトが大事」「思いやりが大事だ」と、皆さん知っていますが、
なかなかできないのは、どちらかというと認知的に理由を探してやろうとするからです。


理由を探したりしているうちに、皆さんの認知の脳は下手すると優劣思考の中で「優」を探すために尊敬、尊敬するために「優」を探していく。認知の脳は相手を見ているうちに「優」よりも「劣」も探してしまって、下手をするとさげすみの気持ちが起こってしまったりしてしまうわけです。

頭ではリスペクトしなきゃいけない。

「でも、できていない自分はまたダメ」みたいな感じになったりします。

「リスペクトすることが大事だ」と思うと、「私はリスペクト、どんな人にもできてないし、下手するとすぐに『あの人は』とかいって蔑んでしまう」って言って、
「私は全然ダメなの」みたいな感じになったり、


「俺は修行が足りないからすぐにはリスペクトできないんだ」というふうになってしまいます。

 

■             認知脳がもたらす優劣思考                

人間は認知の脳がある限り、優劣思考もあり、上下思考もあるので、さげすみの気持ちというのは絶対出ます。

「修行が足りない」と思って滝に打たれて、修行するのではなく、
それとは別に「思いやりを持つと考えたら気分がいいなあ」という自分を作り出していくことが、結果的にその蔑んでしまう「認知の脳が働きにくくなる」って考えてみませんか。
すごくライトでいいと思います。


どんな人も、認知の脳がある限りは、さげすみの気持ちやさげすみの思考というのが出ざるを得ないのが人間ですから。「思いやりを持つと考えていると気分いいよね」でOKです。

「どれぐらいをリスペクトと定義するのか」「思いやりといっても、これで思いやりなのか」とか、そんないちいち解析しなくていいで、まず思いやりを持つと考える。リスペクトすると考える。

それが気分のいいあなたにつながるのであったら、よかったじゃないですか。「以上、終わり」と思いましょう。

 

リスペクトすると考えるのに、条件不要です。
「お金がないとリスペクトすると考えられない」とか一切ありません。


「時間がないので、リスペクトすると考えられない」とかないのです。

とにかくこの思考を身につけていってもらいたいなと思います。

 


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