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フローマインド5    感情に気づく生き方

2021.04.27

感情に気づく生き方   (辻秀一メソッドより)

 

■             ノンフローとは通話圏外にある状態

今回は「感情に気づく」がテーマなのですが、大きなテーマは「フローで生きる」です。フローというのは心の状態。心の状態だから見えにくいです。見えることができればすごく簡単なんですが、わかりにくい。フローが大事だということはあったとしても、実際に「自分はフローなのかな」とか「ノンフローなのかな」とか、わかる指標もありません。

「自分の心の状態に気づく。わかるようにする」ということを携帯電話の事例でお話します。

 

携帯電話は、どんなにいい機能があったとしても、アンテナが立っていなかったり、圏外だと通話ができません。ちゃんと通信ができる状態ではじめて、その携帯は機能をしっかり発揮してくれるわけです。だから、電話を使うときは、必ず圏内かどうかを確認する必要があります。

 

自分が何かやるときに、自分がフローなのか、ノンフローなのかを考えず、ただノンフローのままに何かをやっているときがあります。これはまさに圏外のまま電話をして、「通じない。通じない」と言っているのと一緒だと思うのです。圏外にいることが悪いのではなく、圏外になることもあるので、圏外だと気づかずに電話をかけているのが問題です。

 

圏外だとわかったらどうしますか。角度を変えたり、窓のそばに行ったり、場所を変えたりして何とかしようとします。

それでもアンテナが1本ぐらいで不安だったら、「ちょっと、すみません」と言って、外へ出ていきます。3本になっているのを確認して電話をする。3本になったらホッとしますよね、「これでちゃんと通じるんだ」って。そういう感覚を自分の心にも持ってほしいのです。

 

人間の心がこうやって携帯電話のようにそのときの状態、圏外か、アンテナが1本か、2本か、3本かは「状態」なわけです。電話ができるか、メールができるかどうかは機能なので、むしろ状態を示しているのはアンテナです。

私たちは、とかく何ができるのか、何ができないのか、どんな能力があるのか、スキルが足りないからダメだとか、まずその人がどんなものを持って、何ができるかの前に、「どんな状態なのか」ということが重要です。

 

それで、自分がどんな状態なのかはアンテナのようにわかればいいので、おでこに「今、圏外ですね」とサインがでればわかりやすいのですが、そうはなりません。みんな心の状態に気づくこともしないし、後回しにして結果が出たときに初めて振り返ってみて、「イライラしてやっていたよな」とか、「とらわれていたよな」となっているように思います。

実は、この携帯電話の状態を示すアンテナを自分でわかるようにする唯一無二の方法が「感情に気づく」ということです。

 

■             自分の感情に簡単に気づけない

人間は、心の状態を気づく手段として「感情」を言葉にして表現しています。心の状態を察知する方法は、「感情」というものにいつも気を配り、そこを察知していけるようにすることです。

イライラしているから悪いわけではないです。「イライラしているな」と気づけることが重要。今、「ウザイな」と感じていることに気づけること。このことが大事です。

感情に気づくためのいろいろな練習方法があります。自分に多い感情を5つあげてみる。最近の感情を5つ考えてみる。こんなことも、この脳を鍛えることの一つです。どんな感情が「いいのか・悪いのか」ではなく、感情に気づく。ただそれだけです。

「感情のリスト表を作成」

 

注意していただきたいのは、感情・気分・気持ちですから、胸にある状態ですね。認知脳の強い人は事柄をあげます。感情を述べてくださいというのに、「ボーナスをもらったとき」とか「部下が思うように動かない」と答える人がいます。それは感情ではなくて、外側に起こっている事実、事柄です。『環境』や『経験』や『他人』という事柄、出来事になるんですけれども、認知の脳でしか生きていないので、外側に起こる出来事しか興味がなくなってしまっているのです。「何をやらなきゃいけない」とか「こんなことがあった」。感情のことなのに、そういう発言が増えてくると末期的です。

「上司は昨日もこんなことをおれに言いつけてきてさ」みたいな会話をしていると、自分がどんな感情を持っているのか、どんな気分なのかということに気づけなくなります。

子どもの頃は、割と感情の会話が多かったのですが、年齢とともに認知してきて、私たちは出来事、事柄ばかりを言うようになり、事柄、出来事を言えば言うほど、またそれに支配されていくという構造に生きるようになります。感情・気分・気持ちは自由ですが、それに気づけるようになる力が低くなっています。

 

■             感情は心の状態、体の状態とは違う

また、「感情・気分・気持ちを述べてください」と言っているにもかかわらず、「休みが欲しい」とか「ボー ナスをもらいたい」とかいう人がいます。これは、感情・気分・気持ちではなく、「考え」です。脳がやっていることです。

感情・気分・気持ちは状態です。心というものの存在をあえて脳と分けるとすると「心は状態」「脳は機能」なので、脳の中にそういう考えが浮かんだということです。「欲しい」とか、何々したいというのは、今すぐにでも思えることです。

感情というのは、自分でつくり出すことのできない状態です。脳がつくり出しているある種、心の状態です。感情のリスト表をつくるときに、「これは事柄ですか」「これは脳でやっていることですか」というのをチェックしながら、感情のリスト表を増やしていきます。

 

もう一つ、感情・気分・気持ちというと、形容詞を出さなきゃいけないと思っていて、感情を述べてくださいと言うと「暑い」と言う人がいます。暑いのは外が暑いんですね。

自分の気分はあつい。もちろん、そういうあついという感じもありますが、「外が暑い」のをその人は感情だと思っているケースです。これは、あくまでも外側にある状態を示している形容詞です。

「おいしい」も感情ではありません。「ご飯がおいしい」です。「おれの気持ちはおいしい」というのは基本言わないで、「おいしい」は感情リスト表に入れてはダメです。

 

■「キレイ」や「疲れた」は感情ではない

「キレイ」。「おれの気持ちはキレイ」とは言わないです。「キレイ」は、キレイな景色、キレイなお姉さんです。キレイなお姉さんを見て、「うれしい」です。キレイな景色を見て、「ハッピー」です。「キレイ」は外側にあります。

でも、例えば楽しい。楽しい事柄、楽しい飲み会、楽しい試合、楽しい仲間と言いますが「今、おれは楽しい」と自分の気分・気持ちが内側に楽しいという状態もあるので、「楽しい」は感情です。あくまで、胸の中に存在している状態を表現する一つの形容詞ですから「楽しい」はOKです。「楽しい」をどのように見るのかとか、 どんな脳波とひもづいているのか研究している学者さんたちがたくさんいますが、ここではそれは本意ではないので、そういう心の状態を我々はいろいろと持っていて、それを表す言葉、それをリストアップしてみましょう。

 

もう一つ、体の状態を示す人がいます。「眠い」。眠いのは感情ではなくて、寝不足により眠い状態があるんです。「おれの気分は眠い」とは、通常、感情・気分・気持ちとしてはよろしくないです。

あと「疲れた」というのも微妙です。感情が疲れた。「おれの心は疲れてる」というのは、言わないことはないですが、通常、疲れているのは体です。「体が疲れていて、今、不安な気分」「今、体が疲れていて落ち着かない気分」「今、体が疲れてきて何かやるにもウザイ気分」があるというのならまだわかります。「疲れた」は、感情ではなく、体を表す状態だと思います。

 

■             感情のリスト表から自分が見えてくる

こんなことを注意点にしながら、感情のリスト表を皆さん作成してみてください。まず、出ないことに気づきます。「認知」という脳の中で、事柄にばかりとらわれていく傾向になっているのです。

それを悪いとは言いいませんが、そういう認知ワールドの発想だけでいくと、心の状態は気づけばノンフロー、不機嫌で、ストレスがたまって、さまざまなノンフローのときに存在する感情をてんこ盛りしながら、営業に行ったり企画書を書いたり、会議をしているという人が、山ほどいるんじゃないかなと思います。

 

人間は感情・気分・気持ちで動いている以上、認知が不要とはいいませんがそれにも気づく力がなければ話にならないのです。携帯を使うときに、アンテナを見ずして電話しているというのと同じになります。

感情のリスト表をそんな注意をしながらつくってみてください。どんな感情を出すことができるでしょうか。

 

■             気づかぬうちにノンフロー化?

もう一つ、感情のリスト表をつくっていくと、ちょっとノンフローっぽい感情が出やすいというふうに気づくはずです。「最近多い5つの感情」というのもそのヒントの一つですけれども、「なんか、おれ、最近イライラが多いな」とか「すぐムカつくな」とか「がっかりだな」とか「私、不安だな」とか「落ち着かないな」とか「心配ばかりしてるわ」みたいなノンフローっぽい感じをイメージする感情ばかりが出てくるというふうにも気づくはずです。

 

どういうことかというと、外側にある理由や理屈ばかりをExcuseしながら、そこに自分が意味づけすることでますます支配されているという構造になっているのです。

 

何回も言いますが、「イライラ」とか「ウザイ」とか「心配」とか「不安」とか「後悔」とか、そんなことを「感じちゃいけない」ではないんです。感じることより「気づく」だけで、人のマインドはややフロー化が起こるんです。人間というのはそうできています。

まず、この感情のリスト表を作成する習慣をつけてみましょう。その感情のリスト表をいつも持ち歩きながら、「こんな感情なんだ」とか「新しい感情に気づいた」といったら、早速、感情のリスト表に加えていく。そんな習慣をぜひつけてもらいたいと思います。

 

ちなみに、私がメンタルトレーニングしているプロゴルファーたちは、感情のリスト表が100個ぐらいあって、私と一緒にメンタルトレーニングのラウンドをすると、「2番ホールの第3打のときどんな感情?」といったら、「この感情とこの感情とこの感情とこの感情があって、ちょっとフローにはなり切れずノンフローな方向に傾いていました」みたいな会話をラウンド中、ずっとし続けていきます。

産業医をやっている会社では、朝のミーティングで、まず自分の感情を言ってから今日するべきことを発表したり、まだできていないことを発表したり、感情のリスト表を見ながら、感情の発 表とともに常に両方するような習慣をつけています。

■             自分の感情を2つに分類する

この感情のリスト表が充実したら、次にやってほしいことがあります。10個でしょうか、100個でしょうか、いろいろな感情がでてきました。そこに、「いい、悪い」はないです。ところが、いい感情とか、悪い感情、プラス感情、マイナス感情、ポジティブな感情、ネガティブな感情、それも意味づけですね。

感情にプラスやマイナス、ポジティブやネガティブなどという意味はついていないです。私たちが後からつけただけのことです。認知の脳で生きているので、どうしても「プラスのほうがいい」「ポジティブのほうがいい」「ネガティブはダメだし、マイナスはよくない」という意味をつけています。

 

ここはちょっと微妙なのですけれども、私はこの感情をそういう意味づけではなく、「ただ単純に分類してほしい」といいます。男と女に分けるようなものです。フローなときには多い感情なのか、ノンフローなときに多い感情なのかを分類してくださいといことです。

どういうことかというと、フローだというのは別にいいわけではなく、フローというただの状態です。ノンフローいうのは、悪いわけではなく、パフォーマンスが出にくいというただの状態です。

人間の心にはいろいろな状態があって、大きく分けると「フローな状態」か「ノンフローの状態」しかなくて、そこに「いい、悪い」があるわけではないんですね。感情も同じで、例えば「楽しい」はフローのときにある感情ですからこれはF。例えば「ウザイ」。これは明らかにこの感情に浸っているときに人間はパフォーマンスがでにくいので、これはノンフローの状態のときに多い感情なんだということでN。悪いから、ネガティブではなくてノン  フローのときにある感情なのでNというふうに、今、つくられた感情のリスト表、いつもつくっている感情のリスト表をマーキングしてください。

 

先ほども言いましたが、男と女に分けるだけです。男がよくて女がダメとか、女がよくて男がダメといっているわけじゃなくて、世の中には男と女がいる。それと同じで感情にはフローの状態のときに起こる感情と、ノンフローの状態のときにある感情というだけなので、FとNで分けていってください。一個一個、その感情に浸っているときにパフォーマンスが上がるかなと考えながら、FとNで分ける習慣をつけてください。

この感情はNの感情、この感情はFの感情というような形で分類していきます。迷ったら、その感情に浸っているときの自分のパフォーマンスはどうかな? そのあとどうなるかじゃないんですね。

「ヤバイ」という感情にだけ浸っているときに、「あなたのパフォーマンスはどうですか」ということを問うています。

ヤバイと感じたあと、こんなことをしなきゃいけない、それによってパフォーマンスが上がってきてやる気が出てくるので、「ヤバイ」はFだというのは違います。その感情に浸っているときだけを冷静に考えてみてください。「ヤバイ」は、私はNです。ただ、人によって違うので、自分オリジナルのFN表をつくってください。

 

■             感情に気づくだけでフローになる

ワークショップとかだとグループワークをさせていくので、4人組で感情のリスト表をつくったあと、みんなで、F、Nで分けていくと、こういう感情は、「おれはどっちかというとFだけど」「私はNだわ」と言って、人によって割れることがあります。そうしたら、それはその人その人によって違うということで、グループ内では「まあ両方ある時だよね」と言ってFNの感情だって分けるようにしたりしています。

私にとってFNの感情で言うと、例えば、ドキドキ。ドキドキってFのドキドキもあるし、Nのドキドキもありますね。なんか楽しみなことがすごくあって、なんかドキドキしながらけっこうパフォーマンスが上がりそうなドキドキもあるし、「なんかこれヤバイな」っていう感情も引っついたような、焦ってる感じのドキドキっていうのもある気がします。

皆さん固有の感情のリスト表にマーキングしてください。「F」と「N」と「FN」です。この感情のリスト表をいつも持ち歩きながら、今の自分が圏外なのか、アンテナが1本なのか2本なのか3本なのかは見ていく習慣が重要です。

 

すぐ「じゃあどうしたらいいんだ、もっと方法を教えてくれ」っていうふうなことが多いんですけれども、 感情に気づいてフローの価値を自分で熟知し、人間は心の法則で動いているんだっていうことをよくわかり、認知、意味づけが自分の心の状態に感情をいろいろ勝手につくり出していくんだという、この人間の仕組みをわかり、そして自分の心は自分で決めるんだということを、もう繰り返してるだけでも、相当素晴らしいライフスキルの持ち主のはずです。

 

■             感情に気づくトレーニング法

感情に気づく。例えば、こんな練習方法が究極のライフスキルトレーニングです。感情のリスト表を制作したあなたがいます。そうしたら時々こんなことをやってみてください。

1週間に1回ぐらい、昨日1日を感情でだけ人にどんな1日だったかを、感情でだけ発表してください。言っていいのは時間だけです。事柄やなぜそのような感情が生じたのかは一切言ってはいけません。それは認知の話なので。

 

このライフスキルを磨くトレーニングで僕が徹底的に話してるのは、「感情でだけ昨日の1日を振り返る」です。朝 7時にウキウキした感じ。7時から8時ぐらいは心配でまったりした気分で、ちょっとウキウキしてる気分。8時ごろは  ハッピーな気分。8時から8時半ぐらいの間は、チョー気分悪い、イライラして、面倒くさい気分。9時ぐらいはスーパーワクワクしている気分。でも、10時ぐらいになるとこんな気分。みたいな感情の話だけをするという練習をよくさせます。

とてもみんなやりにくいです。すぐ事柄が言いたくなります。「このころ満員電車に乗っててさ」とか、「昼飯食べ  てハッピーになった」とか言いたくなります。

 

私のワークショップの中で感情の会話をして、仮にNの感情が多かったとしても、あんまりノンフローになってこないんですね。「昨日は『イライラ』と『ウザイ』と『面倒くさい』と『がっかり』と、心配な気分だったんだあ」と言っている自分は、ノンフローのNの感情はなくなってる感じです。つまり、Nの感情を人と会話して、自分が口に出すと、ドンドン消えていくという習性があります。感情を人間は持ち続けることがとても難しいからです。

でも、「昨日こんなことでイライラしてさ。部長昨日、こんな理不尽なことをしてきてさ。お客さんチョーこんなことで、俺むかついたんだよ」と言って、事柄のことをしゃべると、その事柄はもう永久不滅に事実として残るので、 あなたの脳の中に刷り込まれて、とらわれとして残ります。事柄、たとえば「3・11に地震あったよね」「今年の夏は暑かったよね」、このことを言えば言うほどあなたはとらわれていきます。

人間の機能上「昨日1日とても不安な気分だったんだあ」と言っても、その不安な気分を今もずっと持ち続けて、明日も持ち続けるっていうことは、難しいんです。それをなぜ、持ち続けてしまうかというと、事柄のことをしゃべるからです。事柄は永久に存在するからです。

 

■             口に出すと、不安は消える

「来週の試験とても不安なんだ」その試験が終わるまではたしかに不安です。でも、「私、今不安なんだあ」と言っても、「明日まで不安を持つぞ」ってできないので、その「今不安なんだあ」って言った理由を述べないと、不安という感情は薄れていくというように人間はできてます。感情の会話をすると、Nの感情を仮にしたとしても、みんな意外に気分いい状態がつくられていくということに気づきます。

そしてFの感情を話せば話すほど、それをシェアしていくと増やせます。昨日は「楽しい」と「ワクワク」があったっていう話をすればするほど、「楽しい」と「ワクワクな気分」が何となく醸成されてきます。「楽しい」と「ワクワク」を聞くと、何となく気分もよくなってフローな方向へ行きます。

 

朝、感情の会話をしてるだけでも、みんながフローな方向へ傾くという体感が、たぶん起こると思います。感情に気づき、感情の会話を増やす習慣をつけてください。そのためには「感情のリスト表」を持ってることがとても大事です。これを常に作成して、持ち歩いて、気づくということができたらいいと思います。

 

「私、全然そんなNの感情もないわ」という人がいますけど、それは感情を見るということを避けているだけであって、感情がない瞬間はゼロです。

気づいていないだけです。気づく力がないので、今の自分の感情はないと思っています。それと、感情を見てしまうと、それに支配されるような気が認知はするので、意味づけが好きだから。見ないようにしています。気づかないようにしているし、見ないようにしているんです。

それは身についていないものを身につけていく、脳についていないものを脳につけていこうとするので、エネルギーをつかいます。だから脳が疲れます。それには普段の練習が必要です。感情に気づくという練習です。練習したら、いつも別に使えるようになります。トレーニングしてスキル化することです。だからやっていかないとスキル化されないんです。

 

■             ライフスキルとは脳の使い方

最後ですけども、感情に気づく、すなわち自分の心に何が起こったか、ということですけれども、これからいろんなライフスキルについて一つずつご紹介していきますが、そのライフスキルというのは、心に変化を起こすための脳の使い方です。

例えば、「感謝する」とか「好きなことを考える」とか「言葉を選ぶ」。こんなことが出てきます。「こういうことがあったから感謝する」とか「こういうことがあるから好きなことを考えなきゃいけない」ではなくて、好きなことを考えたり、言葉を選んだり、感謝したほうが気分がいいということ。すなわち自分の心にFが起こり、Nが減る。それしか理由がないんです。そういう脳の使い方を外側の出来事と関係なく持ってるのが、「ライフスキル」です。

ですから、心にこの変化が起こることを察知できないと、ライフスキルを使う体感を持ちにくいので、「このFの感情が増えるな、Nが減るな」ということに気づく感性が、このライフスキルを磨き、強化していく時に必須なのです。

 

この感情に気づくということ自体が一つのライフスキルの基本なんですが、今後さまざまなライフスキルを身につけていくに当たって、その時に感情のリスト表が甘かったり、感情に気づく感性が弱いと、ほかのライフスキルを磨いていくことにも支障を来します。この「感情に気づく」ということは、それ自体もライフスキルですし、その他のライフスキルを強化していく時にも極めて重要な脳の力なのです。

男の人は感情に気づくというのは、「なんか女々しいな」とか「女、子どものするこっちゃ」みたいなことを思いがちですけども、これは本来人間が持っていなくてはいけない機能、心を整え、心をマネジメントしていくという脳の機能なので、ライフスキルとしての絶対必須の力として身につけていただきたい。

 

■             イチローはライフスキルの達人

野球のイチローさんは、淡々とした一見、感情なんかに触れることのないようにコメントしますが、イチローさんは感情がない人なのではなく、感情豊かだけれどもライフスキルを持っていて、感情をマネジメントするっていうことができる人です。マスコミはどうしても揺らぎととらわれをつくってくるので、あえてそういう表情や言葉をして、自分の心の状態を守っているだけであって。いろんなインタビューを聞けば、「ものすごい感情に気づく力は高いし、自分の感情を表現するということがものすごく上手だな」ということに気づきます。

 

とかく私たちは本当に「認知」という脳の機能がムチャクチャ優れてるがために外側に起こってる出来事で、常に支配されてると思い込んでますが、人間っていうのは心でできている。すなわち、感情っていうもので動いているので、人によっては成功だったり、ビジネスの結果だったり、スポーツの目標であったり、プロセスの充実であったり、あらゆる側面に人生を豊かにしていく時に、「感情に気づく力が必須なことなんだ」「自が感情に気づいて生きることって大事なんだ」ということの重要性に気づいてもらいたいなと思います。

心をフロー化させる脳の使い方は、普段やっていなく、慣れていないことなので、「大変だな」と感じるはずです。でも、それは今までやっていないからです。でもやってみたら、いろいろな体感が起こります。絶対体感が起こります。やらない人に体感はなしです。

 

パフォーマンスへの影響なんですけども、その時のパフォーマンスがよくなる時の心の状態を「フロー」と呼んでいます。その時のパフォーマンスが出にくい時の心の状態を「ノンフロー」と呼んでいます。だからその感情のリストをいろいろ見て、楽しいという感情に浸っている時に、「おれ、パフォーマンスどうなんだろう」と考え、それはフローという領域に存在する感情なので、Fです。ワクワクしているという感情に浸っている時に、「おれ、パフォーマンスどうなのかなといったら、下がることはないな、ワクワクしていて」といったら、これはパフォーマンスが上がるというイメージがひもづいている感情なので、Fです。でも「おれ、ウザイっていう感情に浸っている時に、パフォーマンス、はたして  上がるかな」といったら、「絶対上がらないな」といったらNという感じです。

 

怒りの感情を自分のエネルギーの源泉にできるかどうかに関しては、怒ってムカついてる時に、その怒りの感情の時だけ、本当にあなたはいいパフォーマンスが出ているのかって、よく問いただしてみてください。本当に怒りという感情だけに浸っている時に、パフォーマンスが上がっているのかどうかを考えてみると、Nのことのほうが多いはずです。

 

怒ってる時だけの感情に浸っていて、すごくいい演説したり、すごくいい営業のプレゼンできていることはないです。お客さんに断られて、「くそ! 今度は絶対やるぞ。ムカつくな」といって、それが落ち着いて違う感情が出てきて、パフォーマンスが上がり始めるんです。なので、一個一個、その感情にだけ浸っている自分をイメージしてみてください。でも正解はないので、その感情に浸っている時の自分をよく考えて、イメージしてみてほしいですね。

基本的には落ち着いていたほうがいいわけですが、落ち着いているだけではだめですよね。

例えばやる気があって実行して、落ち着きもあるしワクワクもあるし楽しみもあるし。怒りから落ち着いて、落ち着いているだけでパフォーマンスが上がるかというと、どうでしょうか。落ち着いている状態は、少なくともNではない、Fですけども、パフォーマンスを上げている時は、その「落ち着いている」といるFだけではなく、ほかのFもたくさんつくり出すという習慣をもったほうがいい。特別人前に出て営業するとか、ここ一発勝負の時だけでなく、あらゆる24時間のパフォーマンス事のいろいろな感情を、それぞれ想起してみる力が必要です。

 


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